Manufacturing process
株式会社 高峰楽器製作所とのコラボレーション

高峰楽器製作所とオンキヨーのコラボレーションで誕生したオンキヨー「D-TK10」ギターアコースティックスピーカー(2005年12月発売)の開発にあたって、私は高峰楽器側のオブザーバーとして参加する機会に恵まれました。そこで、アコースティック楽器の構造を活かした新発想のスピーカーシステムに大いなる可能性を見いだしました。

最近の高級スピーカーシステムは、キャビネット自体の共振を排除する構造を追求し、さまざまな内部補強により振動を抑え込んだ剛性の高いキャビネットが主流となっています。

一方、HB-1 / HB-X1 スピーカーシステムは、楽器と同じ薄く軽い木製キャビネットを用いることで、溌剌とした音楽再生を実現しました。豊かに響く高峰楽器製のキャビネットが、まるで音に生命を吹き込んだような魅力的な音楽表現を可能にしたのです。

 

キャビネット構造について

Kiso Acoustic HB-1 / HB-X1の特長ともいえる美しい曲面をもつキャビネットの胴部分には、2.5ミリ厚のマホガニー単板が使用され、スティームヴェント処理が施されています。また、最も美しい響きを得るために側面響板には、3.5ミリ厚のマホガニー単板を採用しました。この側面響板は、音圧と振動に耐えられるように3次元CADを用いて緻密に設計され、僅かに外側にラウンドさせて張りを持たせた形で胴に接着することによって、キャビネットの剛性を保ちながら不要な共振を抑えています。さらに側面響板には、音創りのために多数の異なる形状の力木(ちからぎ)が用いられています。この力木が、低域方向、高域方向への開放的な音の伸びやかさを与えています。その結果、キャビネット内部には吸音材等を全く使用せずに音をチューニングすることができました。

 

 

カット・アンド・トライ

Kiso Acoustic HB-1は、高峰楽器製作所のノウハウを結集した優雅な響きを醸し出すキャビネット技術と、あらゆる制約を排除して音楽性を追求した調音作業の結晶です。私たちは、美しい響きを得るために最大限の注意を払いました。それは「設計」→「試作」→「試聴」→「触れて確認する」の繰り返しであり、完成までに膨大な時間を費やすことになりました。この繰り返し作業による音の磨き上げこそが、HB-1の音創りの根底となっています。

その結果、HB-1は小型スピーカーシステムでありながら、サイズを超えた音楽表現を獲得したのです。

 

 

 

 

製造工程について

Kiso Acoustic HB-1のキャビネットは、プレミアム・グレードの楽器と同様、最高品質の材料を使用し、選任された高峰楽器製作所のトップクラフトマンが製作から仕上げまでを行っています。搭載したスピーカーユニットは、すべて耳で選んだものです。とりわけ、天然木のエボニーウッド削りだしのホーン部分が与えられたカスタム仕様の高域ドライバーは、楽器の倍音成分をクリアに際立たせています。すべてのスピーカーユニットは、最新の測定システムで選別作業を行い、特性の揃ったものをさらにヒアリングによりペアマッチングしています。クロスオーバー回路は、小型2Wayスピーカーシステムとしては異例というべき贅沢な内容と規模です。度重なる入念な試聴作業で選び抜いたムンドルフ製の高音質素子を採用。このクロスオーバー回路は、キャビネット内部には収められていません。メイプルウッドを積層した台座内部に組み込まれ磁場や空気振動等から隔離されています。

 

 

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